SEEDS-net  vol.38
2005年10月 24日発行


今回のメルマガを一言で言うなら、大盛り!! ちなみに、西武の中村剛也の好きな言葉は、おかわり。 目玉は、みんなのスポーツ研究大会、 通称:みんスポでお世話になった日体大の森川先生インタビュー☆ あっ、読む前に一言言わせてください。 これを読んだら、何ていうか居ても立ってもいられなくなるわけですよ!! ・・・そうだ、京都に行こう♪と、その前に熟読してください!!

<もくじ>
ひとから見るスポーツ 日体大教授 森川貞夫先生
マイレポート West Virginia University(WVU) Football Game
マイレポート チェルシーヴィレッジ
マイレコメン アリュート・ヘブン

++ ひとから見るスポーツ ++ 日体大教授 森川貞夫先生 
今回は「みんなのスポーツ大会」でもお世話になった日本体育大学体育学部教授・森川貞夫先生にお話を伺いました。
正直に言います。初めてみんなのスポーツ大会で森川先生とお会いしたとき、怖かったです(笑)なんていうか・・・気性の激しそうな人だな・・・と。しかし!今回のインタビューでそんな先入観は吹っ飛びました。非常に繊細な考え方をお持ちで、失礼かもしれませんが、年齢のわりに頭がやわらかい!この記事を読んで、そんな森川先生のパーソナリティが伝われば幸いです。


≫≫ ヒストリー

〜勘違いから始まったスポーツ人生〜


「では、まず森川先生のこれまでのスポーツ歴についてお願いします」

「僕はもともと体が弱くてね、今でも小学校のときの友達にあうと不思議がられるんだけど、まったく体育教師やるなんて思っても見なかった。実際にスポーツっていうか部活みたいな感じでやり始めたのは中学校の2年ぐらいだったかな。ほら、青梅マラソンみたいなのあるじゃない。あれでさ、俺は真面目だったから、みんな適当に走るのに真面目に走ったら5位とっちゃって。これはもしかしたらって錯覚起こして、それで陸上部に入
った。」

高校入学後も陸上部に入部。ところがコーチも監督もおらず、練習メニューは自分たちで考えたそうだ。

「今でも信じられないんだけどね。1日2万mくらい走った。だから体がすごい丈夫になった。」

〜劣等感から生まれた夢〜


「だけどね、記録はインターハイ予選通過できないくらい。特に広島県って言うのは、名選手がごろごろしてた。それで教育大学の体育学部、いまはもう教育大学ないんだけどそこで体育の教師になろうかなぁと。要するに体が弱くて一生懸命にやっても体育の成績がいっつも悪くてね、俺は一生懸命走るんだけど足の速いのがいつも成績いいから一生懸命努力してもさ僕の体育の成績低かったんだよね。だったら俺が体育教師なって一生懸命努力した人間が報われるようにそういう教師やりたいなと思って。それで体育学部えらんだ。」

〜転向〜

大学入学後も箱根駅伝に出ようと陸上部の門を叩くが当時強豪だった教育大陸上部には名ランナーが揃っていた。そこで部員の少なかったハンドボール部に目をつけ、2年のときにはレギュラーを獲得。大学卒業後も高校教師として勤めながら33歳まで現役を続けた。

〜ポリシー〜

「ぼくはね、とにかく人が参ったって言うまでは絶対に自分で参ったって言わない。だからどんなに練習がきびしくても、今みたいにナイター施設がない時代だから、日が暮れたら練習は終わる。だからそこまで我慢すれば、練習はやがて終わるんだ、だからなにくそっていう精神で。僕の原点みたいなもんかな。」

〜転機〜

34歳で教員を辞め、大学院に入った森川先生。その理由をこう語る。
「教員やって、これじゃぁだめだなぁって。だってハンドボールしか知らないんだもん。途中で自分で恥ずかしくなる。やっぱり生徒から質問されて分からないことっていっぱいあるじゃない。それでこのまま体育の教師でハンドボールハンドボールやってたらもうホントにそればっかになっちゃう、それで自分で思ったんだね、正直こりゃぁだめだなぁって。」

〜鬼の森川〜

「俺の日体の大学院、学部もそうだけど、鬼の森川って言われるぐらいしぼる(笑)
最近は、ぼくももう下の助教授がいるから任せてね、いるとほら邪魔になるじゃん、年寄りがいると。今はもうね、いつまでもそういう歳じゃないなと思う。多いときで24,5名ゼミ生がいたんだけど、最後の頃はね、俺が厳しいってのが評判だから1人か2人か・・・ゼミ生がさみしいって。ゼロっていう年もあるからねぇ・・・(笑)」

〜鬼の森川から学生へ〜

当然、それは無意味な厳しさなどではない。そこには森川先生の、学生に対する願いが込められているようだ。
「自分で最後に意見をきちっと言えなきゃいけない。例えば、発表のレジュメ何かは、この試験考察が大事なんだよ。自分なりの考え方を持つというこ と、いつも言うんだけど、うちの学生に向けてね。自分なりに体育やスポーツの考え方をきちんと卒業するまでにつくっていきなさい。まぁ良いか悪いかはね、自分が実際に現場に行ってそれが通じるかやっていく間にわかる。 だから良いか悪いかじゃなくて、自分なりにきちっとした考えをもって卒業して欲しい。考えなさい、とにかく考えなさい。なんか自分で一言でもいいから最初は言いなさい。頭の中まで筋肉質だなんて自分で思ってたらしょうがない。スポーツやる人が。ただ自分は開発されていないだけであって、脳みそのどこかがまだ未開発で鍛えればまだ伸びるっていう可能性いっぱいもってるわけだから、それを活性化してあげるんだっていう、俺はそういう役割だと思ってる。」

今回はこのへんでお開き!
さて、次回は・・・
「相対的に言って、日本のスポーツ政策っていうのはね、僕から見たらまだまだ不十分」
こう語る森川先生。その原因はどこにあるのか、そしてその打開策は!?非常に濃い内容となっておりますので、乞うご期待!
 

小池 絵里花、大貫 冬斗 



+ マイレポート + West Virginia University(WVU) Football Game
今年の夏、卒論調査のために3週間ほどアメリカに滞在しました。滞在先はWest Virginia州(小さくてあまり有名ではありませんが、「Country Road, Take Me Home」に出てくるあの場所です)、Morgantown(http://www.morgantown.com/)。ここは私が高校生の時に留学で1年ほど住んでいた街。Morgantownは、Division1のWest Virginia University(WVU)(http://www.wvu.edu/)があり大学産業で成り立っているような街です。

高校生のころ初めてアメリカの大学スポーツの盛り上がりに触れ、とてつもなく大きな衝撃を受けた私。大学ではスポーツを学びたい!と思ったのもこれがきっかけでした。中でもアメフトのゲームはまさに「アメリカ大学スポーツ」を象徴するもの。
今回もWVUの9月10日に行われたホームゲームに行ってきたのでその様子をご紹介します。

≫≫ 町中GOLD&BLUE
開幕戦自体は一週間前にアウェイで開催されたものの、ホームでのシーズン初試合の今日は町中がWVUのチームカラーのGOLD&BLUE一色。街のWVUグッズショップには今日の試合に着ていくTシャツなどのグッズを買い求める人で溢れかえっています。スーパーではtail gate partyに備えて、食料やお酒を買い込む人もたくさん。車にはWVUのフラッグをはためかせ、街を走る車もかなりハイテンションです。


WVUのホームスタジアムのMilan Puskar Stadiumである
http://www.msnsportsnet.com/page.cfm?section=7920)の大きなパーキングロットにはtail gate partyを楽しむたくさんの人たちが。スタジアムにアルコールを持ち込めないため、朝からこうやってスタジアム外でテンションをあげています。人によってはキャンピングカーで前夜から乗り込んでいるクレイジーな人たちもいます。スタジアムで見ることのできない人たちは試合が始まるまでの間、家の庭でBBQ。たかが…されど大学のアメフトの試合。

≫≫ アメフトだけじゃないアメフトの試合
アメリカの4大スポーツ全てにいえることだと思いますが、スポーツの試合はスポーツだけじゃない!特に大学スポーツにはマーチングバンドという特徴的なものがあります。今回はホーム開幕戦ということもあり盛りだくさんの内容。試合前、ハーフタイム、試合後と全ての時間にパフォーマンスを行いました。イメージ的には私の大好きな映画「ドラムライン」(http://www.foxjapan.com/movies/drumline/)をご想像下さい。
もちろんアメリカスポーツでおなじみのチアリーダーもいます。大体高校生までは女の子だけの「チアガールズ」なのですが大学には男性のチアリーダーもいて内容がさらにアクロバティックで力強いものになっています。タッチダウンの後には、自分のチームのスコア分だけ、腕立て伏せをするというパフォーマンスがよく見られます。たまに、チアガールを背中に乗せて腕立てをすることも。

≫≫ なぜこんなにも地域に愛されているのか
Division1とはいえ、なぜこんなにも大学のアメフトの試合で街が盛り上がるのか?6万人収容のスタジアムがなぜ埋まるのか?(満席ではなかったですが…)。ホストファミリーに尋ねたところ「他にやることがないからじゃない〜?」とかなり「あ。そっか」な答えが返ってきました。プロスポーツチームもたくさんあるアメリカですが国土が広いため地域にプロチームがあるところなんてごくわずか。そしたらどこを応援するかといえば、地域の大学なわけです。そしてスポーツのライバルである、カラオケやゲーセンといったほかの娯楽もあまり多くはありません。

でもこれは数ある理由のうちの1つの答えであってまだまだ色々な要素があると思います。大きな前提に「アメリカの人はスポーツが好き」という揺るがない事実があるのも確か。
高校生の時に「日本の大学スポーツもこんな風だったら…!」と思った原点を再度観て、「うらやましい」と思ったわけですが、4年間スポーツについて勉強した後やはり考え方は変わりました。日本で同じような環境を作るのは不可能。教育システムも文化も違うから。でも、教育システムが違うとはいえ、アメリカと同じように日本のスポーツの原点は学校。アメリカの学校スポーツから学ぶことはたくさんあるのではないかと思います。大学スポーツのあり方をもう一度考えて、大学の力を使ってスポーツを盛り上げる方法も考えたいと思っています。いつかは早稲田を皮切り
に、大学が自前のスタジアムを持つようになったらなぁ…。

アメリカに行ったらNFLやNBA、MLBもいいですが日本には情報が届くことの少ないアメリカ独自の文化、「大学スポーツ」にぜひ触れてみてください!おすすめです。
★ちなみに、試合の次の日、路上で燃やされた家具など(時には車も!)を目撃することができます。ここまで大学生を狂わせるアメフトの試合にあらためてびっくりです。


WVU Athletics: :http://www.msnsportsnet.com/

寺尾 真由子


+ マイレポート + チェルシーヴィレッジ
その「村」はロンドンの南西部にある。この村に世界のChelsea Football Club(チェルシーFC)のホームスタジアムであるスタンフォードブリッジがあり、100年以上続いてきたチェルシーFCの歴史が詰まっているのだ。だが驚いたことに、街周辺にフットボールの雰囲気はあまり感じられない。あたりはロンドンの中でもかなりな高級住宅街なのである。これがフットボールをする環境だとは日本人にとっては想像しがたいだろう。ただ、その村に足を一歩踏み入れると…フットボール一色!!っと一辺倒ではないのです。


それまでは木造だったチェルシーFCのホームスタジアムであるスタンフォードブリッジが変革し、「チェルシーヴィレッジ」として大きく生まれ変わったのは今から約10年前。“ヴィレッジ”と呼ばれるのには理由がある。二つの4つ星の高級ホテル、フィットネスクラブ、五つ星レストラン、アパート、メガストア、バー、ナイトクラブ、地下駐車場、宴会場、会議場などが併設されているためだ。フットボールを観に来て、そのまま帰る。そういった場ではないのです。複合化したスタジアムはイングランドでは珍しくないが、チェルシーヴィレッジはその中でも最もビジネス化したスタジアムであり、ヨーロッパでも最大級のスタジアムである。オーナーもさらなるエンタテインメント化に言及しており、今後も拡大して行くことに疑いはな
い。

スタンフォードクリークという小川とリトルチェルシービレッジという橋、この二つの名を合体して「スタンフォードブリッジ」の名は生まれたという。そして100年以上の時を経て、新たな融合が起きた。2003年アブラモビッジ、2004年ジョゼ・モウリーニョ、この二人のコンビによってチームは変革を遂げ、チーム2回目のリーグタイトルを獲得した。

今期も今だ無敗を誇るブルーズ。チームの成長と、ビレッジの成長。その両方から今後も目が離せない。


舟橋弘晃  

+ マイレポート + アリュート・ヘブン
新谷暁生『アリュート・ヘブン』須田製版

著者の新谷さんはシーカヤックガイド、登山家、ニセコ雪崩調査所所長というような肩書きをもった方で、
この本『アリュート・ヘブン』は、著者が世界各地を旅し、
山に登り、海を漕ぎ、様々な人に出会った30年間を
自らつづったものです。



僕は自分の経験を通して物事の理由を考える。そして解決の方法をそこから導き出そうとする。(中略) 技術は習得することができる。しかし、経験を技術として学ぶことは出来ない。(あとがきにかえてより抜粋)

この本を開くと、自然の魅力と魔力、夢を現実にする力、リスクマネージメントやリーダーの責任など、決して批判でも理想論でもない、自然との対話の中で蓄積された著者の本質的な考えが次々と読者の心に訴えてきます。

その本質的な考えは登山やシーカヤックにとどまらず、人生全体のテーマになりうるものであり、そこに本書と他の冒険記との違いがあるのです。

自然とスポーツを愛する人々に幅広く支持されているこの本をぜひ一度読んでみてください。自然を愛し、人を愛す著者のまっすぐな考えが胸にグッとくるはずで
す。

大貫 冬斗



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