自分とバスケットボールの関係。
「愛着」…無い。
「興味」…そんなに無い。
「ルール」…詳しくは知らない。
「スラムダンク」…まともに読んだことがない。
バスケに関しては吉幾三の田舎並みに何も無いタカハシジョウジが、
日本初のプロバスケットリーグ「bjリーグ」の試合を見てまいりました。
観戦テーマは
「こんなオイラがゲームのどこに面白みを感じるのか?」
ほら、きっとbjリーグの成功って私みたいな人間をどう魅了し取り込んでいくのか
っていうのが鍵を握るんではあるまいか、そう睨んでいるんです。
リーグは、チームは、選手は自分に何を提供してくれるのか、
どんな素敵な経験を積ませてくれるのか。
まぁ、そんなことはともかくレポートに入りましょうかね。
会場は所沢市民体育館。
去年の6月に完成したとあってキレイな建物、
丸みを帯びた外見はなかなかにオシャレです。
「まごころ国体」パワー、ここにあり!といった感じですが、
プロの試合を行う会場だもの、この位の品と格がなくっちゃ!
そして肝心の対戦カードは「さいたまブロンコス対新潟アルビレックス」。
さいたまブロンコスのホーム開幕戦となります。埼玉に生まれ育って早20年の私。
愛してやまない埼玉に誕生した新たなスポーツ文化の息吹を感じてやろうじゃないの!
何だかテンション、上がってきました↑
13時30分開場、試合会場のメインアリーナに足を踏み入れると
そこには聞きなれた音楽が。
あ、「世界が終わるまでは・・・(WANDS)」だ。
その後BGMは「あなただけ見つめてる(大黒摩季)」「君が好きだと叫びたい(BAAD)」。
つまる所…
スラムダンクテーマソングのオンパレード。
バスケコート、観客席にやたらといるミニバスケット少女集団、
コート脇から聞こえてくるボールが弾む音・・・
そんな会場の雰囲気とBGMは、「冬とコタツ」ぐらい抜群の組み合わせ、
何だか妙にホッとする。
古き良きJ−POPを鼻歌で歌っていると、一点BGMがHIPHOP調に。
それとともに、マイクの音量上げすぎのMCがなにやら早口で喋り始める。
ほとんど聞き取れないが、最後に「ヨロシク〜〜!!」という声とともに、
大勢のチビッコ達がコートに散らばり、踊りだす。
腰をクネクネ、腕をクネクネ、首をクネクネ。
とにかくコート上のみんながクネクネしまくっています。
なるほど!これが、リーグが売りにしている華やかなダンスパフォーマンスだ!
フォーーーー!!!イエーーーーー!!!!
・・・とは行かず正直、退屈。あくびを2連続、
本場感もしくは高揚感は感じられず、周りの観客も冷めている。
とはいえ、この退屈さはきっとbjリーグの運営側に問題があるのではないと思う。
あるとしたら、本当の本場の臨場感(つまりNBA)を知らない受け手側の自分の問題だ。いくら本場の臨場感を演出してくれても、それを楽しめるだけの度量が無く、
ただただ本場が自分にとって遠くかけ離れた存在であることを思い知らされるのだ。
HIPHOPで秩父音頭。
このぐらいがきっと埼玉県民・タカハシジョウジの許容範囲の気がする。
『演出される本場感、臨場感。それに対して戸惑う自分。』
試合に入ってもなお、この図式は当てはまり続けた。
例えば試合中のMC、異様としか言えないほど叫び、盛り上がる。
「さぁ、ブースター(バスケの観客。サッカーでいうサポーターの事。)のみんな!ブロンコスをブースターの声とハートで盛りたてるんだ!!」
「うわぁ!!今こそブースターの声援でチームを、選手を救うんだ!!」
いやいや、そんなコト言われても・・・
MCが「本場さながらの一体感」を叫べば叫ぶほど、
どうしていいか分からなくなる自分がいた。
前半終了、ブロンコスが11点のリード。何だか、どっと疲れている。
メインアリーナの外にある物販コーナーに足を伸ばす。こちらは本場でも何でもない。
フリーマーケットみたいな雰囲気、品揃えも良いとは言えない。
ゲームだけでなくゲームを取り巻く環境にも、もう少し力を注いだ方がいいのでは?
と思う一方で、今はこのお手盛り感、アマチュア感が恋しい。
bjリーグ饅頭、800円。
なぜに饅頭かという疑問はさておき、
物販コーナーにおいて圧倒的存在感を醸し出している。
ついつい購入、味はカスタード味、日本茶が恋しくなる。
後半開始早々、アルビレックスが猛烈な勢いで追い上げる。
ブロンコスもつまらないミスとファウルで相手の勢いを加速させてしまう。
得点差はジャンジャカ縮まる。
53−53、第3クオーター終了時点でついに同点のスコアに。
その頃からである。
自分の気持ちと会場の雰囲気が
一体になってきたのは。
というのも、その頃のMCは、
チャンスなれば「イケーーー!」
ピンチになると「うわぁーーー!!」
3ポイントが決まれば「ッシャーーー!」
およそ実況ともMCとも言えないものになってきたのだ。
しかし、そのMCの声は自分の心の声と同調していた。
試合の緊張感がグッと増したこの頃、
MCもただのブースターに成り代わり、素直なリアクションを取るようになったのだ。
最終クオーターに入ると、全く同じタイミングで同じ声を発していた。
試合終盤、ブロンコスが息を吹き返す、プレーの激しさがそれまでとは違う。
リードが広がっていく、選手の集中力が伝わってくる。
勝利に向けて会場のボルテージも高まる。
そして試合終了、70−63でブロンコス勝利!
その瞬間、隣のおっさんが立ち上がって腕を突き上げた!
ハーフタイム時に喫煙所で一緒に眠そうな顔してタバコふかしていたのに。
うん、でもさ、分かるよ、おっさん。
あんたも後半、ようやく「仲間」入りしたんだもんな。実はオレもそうなんだよ。
今度も仲間外れにされちゃうかもしんないけど、また来てみるか?
そうだよな、来てみような。
だって、楽しかったもんな。

試合終了後、コート上では選手が無制限でブースター達のサインに応じている。
遠い本場、近くの本物。本場で楽しめなくとも、本物で十分楽しめる。
高橋 丞二