SEEDS-net  vol.50
2006年4月 24日発行

祝50号記念特集号

春、ですね。
春、今までと違う環境で仕事や生活をする人も多いかと思います。
かくいう私、タカハシジョウジも大学3年生になり、同時にSOJ3年目になり、もういっちょついでに言うとSOJの第3代目の幹事長になりました。
今年もスポーツ界、社会に向けて自分たちの活動と考えを発信しつづけ、インパクトある行動をしていきたいと思います。1つ見守ってやってくださいませ。
さて、春、ですね。
春、それは色んな区切りがつく季節だと思います。
かくいうSEEDS-Netも創刊50号を向かうことになりました。
ということで、今号は記念特大号です、いつもより2割増しで豪華なラインナップです。
どうぞ、春の陽気の中最後までお読みくださいね。

<もくじ>

SEEDS-net50号記念企画@ NFLジャパン代表 町田光さん
SEEDS-net50号記念企画A スポーツの現場最前線の声 「今年のスポーツ界はこうなる!」

++ SEEDS-net50号記念企画@ ++  NFLジャパン代表 町田光さん

SOJが誕生して 2 年弱。これまで様々なスポーツの最前線で活躍されている方々にお話しを聞いてきました。人数にして 28 名。どなたのお話も刺激的で、どれも新たな発見をもたらせていただきました。
さて、 50 号記念企画第 1 弾は「SOJメンバーが選ぶMII( Most Inspire Interview )」です。タイトルどおり 28 名に渡るインタビューの中でもっとも Inspire されたインタビューを再編集して掲載いたします。
今回、SOJメンバーがMIIとして選んだのはNFLジャパン代表の町田光さん。「頭が活性化しすぎて頭が壊れるかと思いました。」当時、インタビューを編集した寺尾真由子さんの言葉にあるとおり、 1 年半前にお聞きした町田さんのお話は今もメンバーの心の中に深く刻み込まれています。
なお、今回掲載するのは第 13 号、第 14 号の2回に渡り掲載した記事を再編集したもので、文字数の都合でカットせざるをえない部分がありました。「全てを読ませなさいよ、SOJ!」という方は是非、メルマガバックナンバーをお読みください。

13号(2004.10.25)

14号(2004.11.8)

それでは、町田さんのインタビューを読んで脳みそを痛くしちゃってください!

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■町田光潜伏期 スポーツなんて大嫌い!

「整頓された部屋で、イギリスの暗い音楽を聴いて、フランスの暗い映画を見て、日本の暗い文学を読んで、詩人がどんな生活をしているのか想像するのが好きだった。」

町田さんは学生時代まったく「スポーツマン」ではなかった。高校では、いつも授業をサボって池袋の文芸座で映画を見て、石神井公園のボートにひとり乗っては「詩人ってどうやって生活しているのかなぁ」と思いをめぐらせる日々。いわゆる " 体育会系 " 特有の「つるむ」、「上下関係」といったスポーツの持っている文化性が嫌いだった。

高校卒業後もこの気持ちに変化が現れることはなかった。浪人時代は予備校代を全て映画代につぎ込み、その後、就職した会社ではやりがいを見出せない。再度、受験し入学した大学でも講義に行かずにバンド活動ばかりしていた町田さんが願っていたことは、『社会からのフェードアウト』。「前向きな気持ちになんかなれなかった。」この時代の気持ちを町田さんはこう表した。

 

■町田光浮上のきっかけ 多様な視点の確保

「多様なものの見方をしている学生に対して、
その視点を失わないような、様々な、ありのままの姿を提供したかった。」

大学卒業後、たまたま紹介でいった文化放送ブレーン(現・メガブレーン)という就職情報会社に入社。その会社が何をしているのかはさっぱり分からなかったが、働いてみて分かったことは企業と学生のそれぞれが『コミュニケーション』を取りたがっているという事実。

学生はもっと企業を知りたい、企業は学生が何を求めているのかを知りたい。そんな中で就職情報誌が載せている情報は、自己資本率や賃借対照表の見方といったまるで株の投資家のためのようなものばかり。

もっと企業を多様な視点で見つめ、ありのままの姿を学生に提供したい!

学生時代、自分に悩み、自分を掘り下げ、自分を多様な視点で見つめた町田さん。対象を自分から企業に置き換え、以下の文をメッセージを学生に送り続けた。

「面接採用試験で最も滑稽で悲しいのは、面接官と学生が90分話して、実はお互いの共通の趣味であるローリング・ストーンズに一度たりとも触れなかったことにある。ストーンズが好きなら素直に語れ!」

ひとつひとつの企業の色々な面を学生に伝える、コミュニケーションを創る。町田さんは、独自の方法で情報誌を変えていく。就職面接のあり方をはじめ、さまざまな疑問を投げかけていった。反響は大きく、町田さんが持ち合わせている多様な視点に自信を持つようになる。

多様な視点。その後、NFLの仕事を引き合わせたのもこれがきっかけだった。

 


■日本人にとってのスポーツって?

「日本人のメンタリティを考えた時に、スポーツって日本人にとって何なんだろう?という疑問が浮かんできた。」

95年の秋に「町田くんねぇ、フットボールのこと研究してほしいんだよ」と社長に言われた。文学少年の町田さんはアメフトなど一度も見たことがなかったが、調べを重ね、なんとなくアメフトをつかむ。次に、なぜアメフトが日本で流行らないのかを考えた。そのときに出てきたのが、日本人にとってのスポーツだ。

スポーツ新聞を見ていて気付いたことがあった。日本人にとっての勝敗とは、 " 時の運 " みたいな言われ方をするように必ずしもプライオリティーはなく、選手のバックグラウンドやキャラクターにフォーカスする " 情念のドラマ " のほうが大事だということ。それは日本のスポーツにつき物の " 根性 " という言葉や、日本人が大好きな駅伝やマラソンの放送や報道に象徴的だ。

一方フットボールは、勝つために徹底した組織をつくり、情報に基づいた戦略を立て、戦略遂行のもとに個人は役割という名の「記号」になる。まず勝敗が全て。初めて聞いたときは、スポーツじゃなくて将棋の駒や歯車のようだと感じだ。

つまり、勝つことに徹底して合理的で、そのプロセスがドラマと考えるスポーツと、勝敗よりも「あいつは死に場所を探している」みたいな「生き様」がドラマと考えるスポーツの違いなのだ。それぞれの国や地域で、スポーツの持っている文化的価値が違う。その違いをまとめ、社長に提出した。

 

■RPG型スポーツ アメリカンフットボール

更に調査を進めるように言われた町田さん。どうやら脈があると睨みアメリカンフットボールの企画を更に掘り下げていく。

ある日、フットボール好きの友達が「ロールプレイングゲームってフットボールと同じロジックじゃない?」と言った。今の若い世代は、すくすく育って見事な程情念がなく、いろんな意味で自分勝手に生きている。いろんなことを想定して考える彼らの最高の遊びがテレビゲームだった。一方、フットボールの基本は鬼ごっこ。この誰でもやったことがある普遍的な遊びに戦略や理論をプラスすると、知的なゲームとしての面白さが出てくる。ロジカルにつくられたテレビゲームと共に育ってきた若い世代にきちっとアプローチしていけば、アメフトが広まる可能性は十分あるはず ― ‐ 。報告書をまとめた。

―― この企画の提案先が、大手広告代理店や総合商社も参加した NFL のコンペだと知ったのは、後のことだった。

 

■そしてNFLジャパンへ

その後、NFLは町田さんのレポートを評価し、「あなたと一緒にやりたい」と正式に言った。こうして1996年10月、文化放送ブレーンの中に NFL 事業部 「 NFL JAPAN リンク」が、町田さんを中心にして創設された。

「物事をさまざまな角度から見てその本質を捕まえる」

アメフト1つを日本人のスポーツ観、アメフトという競技の特性、そしてRPGとのシンクロと日本人の変化から読みとった町田さんは、ついにNFLの世界に足を踏み入れることになった。

 

■究極のキーワード

「フットボールは、近代スポーツの持っているありとあらゆる要素を、最高まで高めてつくられたある意味において人工的な究極のスポーツだといえる。」

究極を読み解くキーワードは本能と理性。

激しいタックル、強靭な肉体・パワー、 100 メートルを 11 秒で走るスピード。一見、思い浮かべるアメフトの姿は野生的で本能的なものである。ただし、その本能を司っているのが緻密な作戦、適材適所の人材配置、敵チームの情報。ポジションごとの専門性は高く、決まりごとや制約がとても多い。本能を操る理性、理性を実現する本能、正反対にあると考えがちな両者は1つのスポーツで一心同体のものになっている。

「日本人はもともと農耕民族で、定住していていつも同じことをみんなでしていた。一致団結、談合、協力大好きだけど、社会が成熟化してきて、それじゃ上手くいかなくなってきている。人々の価値観が個別化した今アメリカ的システムは使える! 日本がそのシステムを(批判も含め)理解し自分達のものとして使い始めたときフットボールの見方が変わっていくと思う。」


町田さんは「社会構造の変化」と衛星放送やブロードバンド環境の整備といった「情報インフラの変化」を考え、アメフトが日本で広まる可能性が大きいと考えている。  

では、今その可能性の実現のために NFL ジャパンがするべきことは何なのだろうか?

 

■「究極のスポーツ」と「身近なスポーツ」、「非日常」と「日常」という対極

「最高のスポーツであるアメリカンフットボールの魅力を、色々な機会を通じて人々に伝達することで、アメリカンフットボールを日本の文化の中に定着させる」

最高のスポーツの魅力の追及。そのために、NFLジャパンは 英才教育プログラム  N.P.D(National Player Deveropment) を行い、英才発掘、 選手とコーチの育成・教育を施している。このシステムで育った選手が本場で最高のプレーを発揮する。最高のスポーツを最高の選手により成立させるがためにNFLは努力を惜しまない。

または観戦スポーツとしての最高の追及の努力を惜しまない。

高校日本一決定戦(クリスマスボール)では、入場のとき一人ずつスモークの中から出て行くようにしたり、ハーフタイムショウをちゃんとやったり、音楽の要素を取り入れたり、フラッグフットを紹介したり、そうすることによって、知的で、ヘルメットとかかぶってかっこよくて、さらに選手がヒーローのような、そんなイメージを作り上げることを作る。高校生だからといってケチることはしない。アメフトの持つ最高を追求するに、いくらかかっても投資を惜しむことはしない。

「究極・最高」の持つ非日常性の追求に合わせ、日常的で身近なスポーツと感じてもらう取り組みも行う。

「どんなスポーツも、子供がやってないスポーツは、文化として定着しないということ。文化として定着しないスポーツは、ビジネスにもならない」

普及活動のひとつに、最近学校体育や地域スポーツで急激に盛り上がっているフラッグフットボールがある。(フラッグフットボールの詳しい説明は NFL ジャパンフラッグフットボールサイト 。)
フラッグの特徴である「技術が容易で誰にも出来る」「個性に沿った役割」「言葉を使ったコミュニケーション」を教育の現場で十分に浸透するように、NFLでは用具の無料配布、大会の開催などを行っている。

同じタイプの人間を大量に育てる社会から、個々の個性と能力を活かし、色々な価値の共生の社会に変わってきた日本。その中で果たすNFLの役割を町田さんは認識している。普及とは、教育への投資。教育への投資は文化の定着への試み。文化の定着は、ビジネスの絶対条件だと言い切る町田さんは、普及のための投資を惜しむことはない。

 

■これからのスポーツビジネスマンへ

「『スポーツを勉強しているから、スポーツが好きだからスポーツビジネスへ』っていう考えは、立派だけど感動しない。スポーツが好きなだけじゃなくて、それを一回蹴散らして、スポーツというものを分解してよく観察して、そこから自分なりに組み立てて、新しい vision を提案する、そのくらいになってほしい。自分が何でスポーツが好きなのか考えることがスタートだと思う。」

対象に向けての分析と観察、様々な側面を再構成し、新しい道筋を作り出せという町田さん。つまり、町田さんになれということですね!

 

■スポーツ文化という言葉が消えるとき

恒例の質問です、スポーツ文化って何ですか?
「スポーツ文化って何ですか?って問いかけなくてもわかるようになること。抽象的なものじゃなくて、みんなの日常の中で " こうだ " っていうのがある、体感できている状態。そして、その共通意識が生まれた瞬間に ' スポーツ文化 ' という言葉が消える。それが、文化ってものだと思う。「恋愛について」語るのは終わりが無く言葉に出来ないいのに、恋愛してると全部クリアーに見える、全部が解るのと同じ。」

さて、いかがでしたか?2号分の文量を1号にまとめたために、読みづらい部分があるかと思いますが、

どうぞお許しくださいませ。

 

編集: 宮ゆう樹、寺尾真裕子
再編集: 高橋 丞二

 

 




++ SEEDS-net50号記念企画A ++ スポーツの現場最前線の声 「今年のスポーツ界はこうなる!」

メルマガ50号記念企画第2弾として、スポーツ界の最前線で働いていらっしゃる4名の方々に「スポーツ界今年度の動向は?」をお聞きしました。

今、スポーツ界は変化をし続けていて、その変化はあらゆる分野に押し寄せてきていることが4名のお言葉からよく分かります。

 

有限会社ティ・エフ・ピー
地域スポーツクラブ事業推進部 部長 林 隆弘氏
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創刊50号のお祝いのお言葉
創刊 50 号、おめでとうございます。今後も、SOJメンバーそれぞれがナマの現場で感じた感覚を、メルマガを通じて発信していただければと思います。

 

今年度のスポーツ界はこうなるのではないか。(「スポーツ界全体がこのように変化していくのではないか。」あるいは、「自分はこのような活動をしていきたい。」)

地域スポーツクラブは人で成り立っている。私は、社会に横たわるさまざまな問題を解決するため、これまでの現場経験を活かしながら、日本全国に地域スポーツクラブ育成へ向けた活動を推進していきたい。そして、私自身もソーシャル・アントレプレナーとしての自覚を持ち続け、私自身がソーシャル・ベンチャーを体現していきたい。社会を変革していくのは個人の「志」ひとつから。

 

 

NPO法人 グローバル・スポーツ・アライアンス
プロジェクト マネジャー 蔵本 匡史氏

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創刊50号のお祝いのお言葉
創刊の際に、当時のご担当だった寺尾さんからメールをいただいたことが懐かしく思い出されます。毎号手抜きのない、見事な内容でお送りになられている SOJ の皆様に、心から敬意を表します。これからも楽しみにしております。

 

今年度のスポーツ界はこうなるのではないか。(「スポーツ界全体がこのように変化していくのではないか。」あるいは、「自分はこのような活動をしていきたい。」)

昨年から国連「持続可能な開発のための教育の 10 年」というのがスタートしており、

日本国内における実施計画が、ようやく今年の 3 月にまとめられ、政府から発表されています。   

「持続可能な・・・」って一体何なの?と思われる方も多いと思いますが、私は勝手に「いろんな意味で、誰もが住みよい社会づくりのための教育」と読み替えております。環境問題をはじめ、人権と平等、健康、教育などなど … 様々な意味で誰もが住みよい社会をつくっていくための教育に、世界各地で力を入れようということです。その日本の実施計画の中で、この教育を推進する主体として、実は「スポーツクラブ」への期待が表明されています。ルールの尊重、チームワークとリーダーシップなど、スポーツでは多くのことを学ぶことができるわけですが、これらを日常生活でもいかしていけるようにすることが、すなわち「持続可能な … 」がめざしているところであると考えます。まだあまりご存知でない方も多いと思うので、出来る限り多くの方々にそのことを伝えて行きたいと考えています。

 

 

株式会社リンクアンドモチベーション スポーツマネジメントグループ
プロジェクトマネジャー 山谷拓志氏
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創刊50号のお祝いのお言葉
祝・創刊50号!もっとスポーツ界にインパクトのある活動を! お前がスポーツを変えてみろ! (TM)

 

今年度のスポーツ界はこうなるのではないか。(「スポーツ界全体がこのように変化していくのではないか。」あるいは、「自分はこのような活動をしていきたい。」)

今年はスポーツ界が景気回復の波に乗れるかどうかが鍵になる。動き出したマネーをきちんとキャッチできるようパラダイムを変えて活動することが重要。 RideOn The Wave!

 

 

早稲田大学スポーツ科学部
助教授 間野義之氏
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創刊50号のお祝いのお言葉

『おめでとうございます。 SOJ 諸君のこれまでの奮闘振りに敬意を表するとともに、 100 号に向けたさらなるチャレンジを期待します。』

 

今年度のスポーツ界はこうなるのではないか。(「スポーツ界全体がこのように変化していくのではないか。」あるいは、「自分はこのような活動をしていきたい。」)

『悲観的なところでは、 6 月W杯予選敗退、 8 月世界バスケ惨敗ですが、その後 8 月末に発表される東京オリンピック 2016 への国内一本化を契機に、「都市再生」や「郵政民営化」により、巨額な資金がインフラに投入される予感から、メガ・スポーツ施設の整備に注目が集まるように思います。

文部科学省のスポーツ振興基本計画の見直しにも目が離せませんね。』

 

 




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