SEEDS-net vol.82
2007年7月16日発行
 
 時が経つのは早いものでもう 7 月も半ば。学生はテスト期間に突入です!でもそれも過ぎれば楽しい楽しい夏休み!オールスターのイチローなみにスッコーンと打ち返して颯爽と駆け抜けたいものです。

 今号は、お待たせしました火の国・熊本でアツくスポーツ界を盛り上げようと奔走するロッソ熊本のお二人のインタビュー後編と、SOJ一年生による日本スポーツ科学界の最先端をゆく施設見学のレポート、そして前回に引き続きアノお祭りについてのレポートをお送りします!

<もくじ>

 + インタビュー +  ロッソ熊本 高木裕司氏、上保毅彦氏
 前回は、チーム発足から現在に至るまでのお話をしていただきました。今回は、チームのこれからについてうかがいます。チーム経営の面から、また地域スポーツの振興の面からロッソ熊本は今後どのような道を進んでいくのか。

 ―キーワードは『熊本オリジナル』―
 

上保毅彦氏(現事業・運営本部長)

 Q.チームの知名度をさらに上げ、より多くのサポーターに来てもらうためにこれから新たにやっていこうとしている普及活動はありますか。

 上保:メディアへの露出はこれからもどんどん増やしていきます。例えばパブリシティと私達は呼んでいるのですが、広報と宣伝の違いとはなにか分かりますか。広報というのはメディアに乗せて情報を流すこと。広告宣伝というのは我々がお金を使ってメディア等の広告欄に載せることです。第三者を使うか直接行うかの違い。ただ浸透性があるのはメディアなどが書いた記事の方です。我々が作った広告の場合、極端な話、我々の好きなように書くことができます。メディアにいかに載せてもらうかが大事ですね。

 あとは、ホームスタジアムであるKKWING ( ケーケーウィング ) 。あそこはアクセスが悪いんですね。熊本の人って基本的に移動は全て車で行います。そこで駐車場を増やそうとしても土地には限りがあります。去年の2月にJRの「光の森」という駅ができ、そこに「ゆめタウン光の森」という大型のショッピングセンターがあります。駐車場が4000台分あるのですが、こちらの支配人様が駐車場として利用してくださいと言ってくださいました。そこで、この駅からスタジアムへのシャトルバスを強化し、サポーターの皆さんにもこちらのほうが混雑を避けられます、利用してくださいとお願いしています。

 さらに今年の3月からこのショッピングセンターにロッソ熊本のテナントを出しました。例えば電車で来なくとも、ゆめタウンに車をとめてシャトルバスに乗る。そしてその行き帰りに買い物をしていってもらえればゆめタウンとしても利益になる。このような相乗効果も期待できるし、ゆめタウン側からそのような提案をしていただけるのであればこちら側としても利用しない手はないですよね。

 あと、今回賛否両論あったのですが、一部プレミアシートということでサービスを付加させて若干値段を高くしています。やはり我々も経営ですので、入場料金はきちんと取らなくてはいけません。何でも割引というわけにはいかない。お金はしっかり出してもらうけど、その分しっかりとサービスをしましょうといった方がお金は回っていきます。


高木裕司氏(元球団取締役)
 
 高木:もったいないと思われるのではなくて、こんなに楽しめるならいいかなと思ってもらえればいい ですね。 例えばチケットが5000円として、それで試合観戦も出来て、 サインももらえて、お弁当も食べることができて 「安いな、得したな」 と思ってもらいたい。そのためには試合も面白くしないといけない。そうやってロッソの試合を見ることの価値を上げていくことが必要ですね。

 上保:あと僕が去年の後半にロッソに来て思ったのが、若い女性、シニア層のファンがまだ少ないということです。先ほどの話とは少し矛盾しますが、まずはロッソに興味をもってもらうという意味でシニア、レディース割引を実施したり、この層に喜んでもらえるようなイベントをやっていこうとも思っています。

 
 Q.ロッソ熊本の運営会社であるAC熊本ではJリーグ百年構想に則り将来的にはサッカー以外のスポーツの普及、選手育成やマネージメント等を含めた総合型地域スポーツクラブを目指すとあります。具体的にはどのようにやっていくのでしょうか?
 
 上保:まだ具体的な計画というのはありません。もちろんその方向に向いてはいますが、まずはJ2に上がることが優先です。ただ今一つ、県の教育委員会の管轄で「火の国広域スポーツセンター」というものがあります。そこが総合型地域スポーツクラブをまとめているのですが、そことタッグを組んで選手を派遣して指導に行ったり、例えばバスケットボールなどもやったり。そしてサッカー以外のスポーツをやっている子供達にもエスコートキッズとして試合に呼ぶ。これらのことは具体的に予定として組んであります。そういうことから徐々に入っていくつもりです。

 つい最近の例を出すと、ある競技団体に所属する熊本出身のスポーツ選手からAC熊本の所属にしてくださいという売り込みがありました。名前を聞いただけですぐわかる選手です。ただ今はそのような人達を雇うことはできません。でもいずれはそのような人を雇っていろんな分野に進出していきたいと思っています。

 高木:ただこれはJリーグの百年構想と同じで、そんなにすぐに実現できるものではありません。各地域がいろいろと悩みながら、自分達に可能なことから少しずつ進めていくしかないですよね。子供達にスポーツのやり方を教える、スポーツをする場所を提供する、大人達にスポーツを教える方法を教える、とやり方はたくさんあります。

 その中で熊本オリジナルのやり方を早く見つけて実践していくことが大事で、熊本でそれをやっていける会社というのは我々しかありませんから頑張っていくつもりです。
 
 Q.“スポーツ文化”とはどのようなものだとお考えになりますか。

 上保:スポーツというものが常に生活に溶け込んでいることですね。私はスポーツというものを「するスポーツ」と「見るスポーツ」と大きく二つ に分けているのですが、普段やるスポーツというものがあって、見るスポーツもある。それが普通の生活の中のかなりを占めていくということ。

 アメリカでは大学や高校がスポーツ施設を開放しているし、欧州では地域スポーツクラブが多数あり、気軽にスポーツを楽しむ環境がある。日本も早くそのようになれば良いかなと思います。東京のほうでは何かスポーツをやるとしたらフィットネスクラブ会員というかそのような施設に入らなければいけない。

 そうではなくてもっと気軽に地元の体育館などで汗を流し、そして週末には地元のプロチームの応援に行く。昼間に試合があれば夜はそれをネタに飲みに行く。こういうものが一つのスポーツ文化と言える
 のではないでしょうか。
 

高木氏(左)・上保氏(右)

 Q.最後になりますが、チーム発足から3シーズン目。今年にかける意気込みをお聞かせください。

 上保:とにかく今年は勝つしかありません。JFLとJ2というのはある意味大きな差があり、あのJのマークをユニフォームに付けるだけでインパクトが違います。ですので、今年はどんな手段を使ってもJ2に上げること。本来の目的は勝つことだけではないなどという人もいるのでしょうが、それはJ2に入って初めて言えることだと思います。

 高木:今まで私達が言ってきたことが、今年上がれなかったら全てできなくなってしまうかもしれません。勝ってJ2に上がって初めてスタートが切れるということからも今年はとにかく勝たないといけない。それに尽きます。



 〔取材後記〕

 スポーツ界全体を発展させる、というJリーグの百年構想が自分の地元でもついに動き出しているかと思うと嬉しさと期待が込み上げてきた。『地理的な有利、不利を抱えながらも熊本オリジナルの方法を見つけていくことが重要―。』 自分が長年住んでいた場所ということもあり、この言葉には大変共感した。

 「とにかく勝つ」という言葉が何度も聞かれたように、今年は何が何でもJへ上がるのだという強い気持ちを感じる。リーグ戦も折り返しをむかえ、4位以内がJ2入りできる条件の中現在リーグ2位。まだまだ先は長いが、ロッソ熊本のJ入りが少しずつ現実味を帯びてきている。

 私が初めて試合を見た2005年の春から3年。

 Jのマークの付いた赤いユニフォームを見られることが楽しみでならない。そしていつの日かロッソ熊本が熊本の人にとってなくてはならない存在になることを期待し、私もその過程で何かしらの形で貢献できるようになりたいと思った。

 
 【参考リンク】
 ロッソ熊本
 
 
 蔵田 康太郎

 + マイレポート +  JISS(国立スポーツ科学センター)見学レポート
 はじめまして!SOJ1年の小嶋です。初めてメルマガ書いてみました。とりあえず、読んでやってください。
 
 JISSは、スポーツ科学・医学・情報研究の拠点であり、日本のトップレベルの選手たちをサポータするためのトレーニング施設が一体となった施設です。ではなぜ、このような施設が設立されたのか。それは、日本のメダル獲得数が東京オリンピックをピークに、下がり続けていることに危機感を感じたためなのだそうです。メダル獲得数トップであるアメリカには、JISSのような国立のスポーツ施設が3箇所ほどあり、アスリートがプレーを向上させるための体制が整っています。そこで、日本もこのような施設の必要性を感じ、設立に至ったのだそうです。
 
 

 ここで、JISSにはどのような設備が存在するのか一部紹介しましょう。JISSには選手をあらゆる面から分析できる装置があります。体脂肪率にしても、より正確に測れる最先端の装置があり、その他にも気圧や湿度を変えられる実験部屋などがあって、選手があらゆる環境に対応できるようになっています。また、クリニックは内科や整形外科だけでなく歯科まであって、すっごく充実しています。リハビリが必要な場合は宿泊施設も備えてあり、通院できるようになっていて、更に宿泊施設は低酸素対応になっているのです。食事の面では、定食かバイキングかを選べるようになっていて、食堂に設置されている機械の画面に自分の選んだメニューをタッチすることで、栄養バランスがチェックできるようにもなっています。でも、値段はトップアスリートのためのものだけあって、お高めでした…。
 
 

 こんな感じで、 JISS はトップアスリートをあらゆる面からサポートする体制が整っています。すべてが本当に、トップのアスリートのため!という感じで、メダルの数が増えそうな気がしました。読者の方で興味を持った方は、ぜひ一度行ってみてほしいと思います。思わぬアスリートに遭遇することもあるかも…。私もあそこで練習できるようなアスリートになりたかったな。
  
 
 小嶋 麻季

 + 真夏の饗宴 +  第2回
 よっちょれよ よっちょれよ        (さあ どいた どいた・・・
 よっちょれよっちょれ よっちょれよ
 
 高知の城下に 来て見いや         (高知の城下に来てごらん
 じんばもばんばも よう踊る        (おじいさんもおばあさんも上手に踊るれよ
 鳴子両手に よう踊る よう踊る      (鳴子を両手に 上手に踊ってる踊ってる…
 
 
 土佐の 高知の はりまや橋で       (土佐の高知のはりまや橋で
 坊さん(ぼんさん)かんざし 買うを見た  (お坊様が かんざしを買ったらしい…注1
 よさこい よさこい            (よさこい よさこい
 
 御畳瀬 見せましょ            (御畳瀬で見せてさしあげよう
 浦戸をあけて               (浦戸湾が開けてみれば
 月の名所は 桂浜             (月の名所は桂浜だ・・・注2
 よさこい よさこい            (よさこい よさこい
 
 ゆうたち いかんちや           (そんなこと言ったって ダメだって
 おらんくの 池にゃ            (俺の家の 池には 
 潮吹く 魚が 泳ぎよる          (潮吹く 魚が 泳いでいるんだよ・・・注3
 よさこい よさこい            (よさこい よさこい
 
 注1・・・純信和尚とお馬の恋物語。高知に伝わる説話。
    司馬遼太郎氏の「竜馬がゆく」にも登場。
 注2・・・桂浜:高知市南部に位置する太平洋に面した浜。
    坂本龍馬の像がある高知の観光名所。
 注3・・・‘おらんくの池'とは太平洋のこと。
     ‘潮吹く魚'とはつまり、鯨のこと。かつての捕鯨猟を誇っている。  


 前回は、何故「よさこい祭り」が
 高知でうまれたか、を お話した。
 
 そして今回から「よさこい祭り」の中身に
 入っていきたいと思う。
 
 どうぞみなさま、まったりとお付き合い下さい。
 
 では、第二回スタート―
 
 
 < じんばも ばんばも むしろ 赤ちゃんまで >
 
 冒頭から訳のわからない言語を並べられて、
 困惑された方もいるかもしれない。
 
 これが一番使われる、よさこい踊りの歌である。
 
 向かって左側の斜体が土佐弁そのままの歌詞、
 右側が標準語に出来るだけ、近づけてみたものだ。
 
 正調とされるものや、他の歌詞も存在するのだが
 筆者が物心ついたころから歌っていたものを
 今回は書かせて頂いた。
 
 筆者が、よさこい祭りに
 踊り子として初めて参加したのは、
 三歳のときだった。
 叔母に連れられ、県庁チームの最後尾に
 ついて踊ったのを、おぼろだが覚えている。
 踊るといっても、ただ歩いて
 隊列にくっついていっただけなのだが。
 

   次回に続く―


 杉野 綾美

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