SEEDS-net vol.83
2007年7月30日発行
 
 メジャーリーグにサッカーアジアカップにプロボクシング・・・欧米生まれのスポーツ界で今週もまた、多くの日本人選手が世界的に活躍ましたね。でもちょっと、足元に目を向けてみませんか?よさこい祭り、そして相撲。みなさんは自国の伝統文化について、どれくらいのことを知っておられるでしょうか。このSEEDS-netが、改めてそれらに目を向け、考えていただけるキッカケなどになったら、嬉しく思います。もちろん、それだけではございません!今注目の“ファンサービス”を肌で感じてきたレポートもございます。温故知新?では、どうぞ〜!

<もくじ>

 + インタビュー +  東京ヤクルトスワローズ F-Project 相原正道さん
 皆さんは『 F-PROJECT 』をご存知であろうか? 2006 年、古田敦也氏が東京ヤクルトスワローズの選手兼監督に就任した際に「神宮球場を満員にする」ことを目的に立ち上げられたプロジェクトである。だが、実際にどのような取り組みを行っているのかは、あまり知られていない。 F-PROJECT のメンバーであり、『ロハスマーケティング』の著者でも知られる相原正道氏に話を聞いてみた。

 ― まず、相原さんがFプロジェクトと関わるようになった経緯は?

 「僕は元々、筑波大学大学院のスポーツ 健康システム・ マネジメント専攻の 2 期生だったんです。そこを卒業したときに、ちょうど F-PROJECT がはじまって、 知人から 現場の人間が足りないということで、お話がきて参加しました。」


 ― では、Fプロジェクトでの具体的な活動は?

 「 Fプロジェクトについて詳しく話すと、Fプロジェクトの "F" は、 Fan (ファン)、 Fun (楽しむ)、 Full (満員の球場) 、 Furuta( 古田選手兼監督 ) の四つの F があります。 今年は集客・マーケティング に重点を行った活動しています。昨年、 メディアタイアップや演出などオールラウンドにやっていましたが、今年は集客に力を入れて、さらに社会貢献活動 も 行っています。

 集客に関しては『相原理論』っていうのがあります。基本的に、スポーツビジネスっていうのはホテル産業、航空産業、自動車産業、カード業界とかに近くて、無関心層をいかにロイヤルカスタマーにするか、というのがテーマです。これをスポーツに当てはめると、ファン(ロイヤルカスタマー)を増やすために、今年球団と話し合ったことは、一度球場に来てもらいましょうということです。これを『一見』さんといいます。これがリピーターになってくれればファンの増大につながりますが、それに失敗するとアンチ派になっていくかもしれない。私はその機会を作るためのプロモーションをやっていく、というのが今の基本的な考え方です。無関心層をファン、そしてコアファンにするためには、一度球場にきて一見さんになってもらい、感動を与えて、最後にはお金を払ってきてくれるような、ファンの獲得を目指しています。これが引いては、リピーターの確保にもなるし、球団も安定収入になる。これが『相原理論』です。


 今年は『メイクフレンズ活動』というのもやっています。様子見派(一見さん)をのべつまくなしな対象にやっても駄目であって、わたしたちが今年行っているのは、東京都内の小学生 を対象とした 、球場に 1 回来てもらう社会貢献活動です。具体的には教育委員会や校長会訪問を繰り返し、家庭向けに 招待申込用紙を 配布して、少しでも多くの人に球場に足を運んでもらおうとするものです。来てもらえるお客さんには 改めに事務局を設け、 FAX や電話で対応しています。 これはあくまでも社会貢献活動の一環であって、それでお金儲けをしようなどという考えはなく、とりあえず球場にきてもらう機会を与えようというものです。さらに 選手の 学校訪問を繰りかえすことにより、 選手と児童のふれあいの場を積極的に提供して います。

 もう一つ、スポーツというのは、商圏が限られているものです。現在は新潟、埼玉、北海道などは地域密着でとても盛り上がっています。で、東京で地域密着な活動ができないかと考えたときにはできないという意見が大半だったんです。」

 ― 正直、僕らもそう思っていました(笑)。

 「普通に考えたらできるかはわからなかったけど、とりあえずチャレンジしてみようと思って始めました。すると、データを取れば取るほど、地域密着はできると確信していきまして、そう考えた場合、東京には人口も多いため、この範囲で商圏活動ができれば面白いですよね。」

 ― その後、重要になってくるのがリピーターの確保だと思うのですが、そのために今やっているプロジェクトに関連して、例えば子供向けに球場内でやっているような具体的なことは何かありますか?

 「特別何かをするということはやっていませんが、今回の小学生向けのプロジェクトでは、マーケティングとは別にして、リピーターになってもらうということは、社会貢献活動の上ではさほど重要ではないと考えています。ただ、来場者にはありがとうの意味も込めて、ベースボールカードを渡したりはしています。今回の小学生向けの活動では、1度球場に足を運んでもらうことが目的なため、来てもらった小学生に『ヤクルトスワローズっていいね!』といってもらうのが一番だと考えています。」

 ― 先ほど地域密着を促進していくとおっしゃっていましたが、今後他のチームも地域密着の流れになっていくと思いますか?

 「僕は間違いなくなると思いますね。どのスポーツ市場でもなるでしょう。メジャーリーグでも完全に地域密着の流れになっているし、まして欧米はいうまでもなく地域密着なので、その流れは普遍的でしょうね。スポーツ文化という言葉がある以上変わらない光景だと思います。」

 ― 球場にお客さんを呼び込む要素で、一番動かせないのは物理的な距離ですからね。

 「おっしゃる通りです。結局お客さんを調べてみると、近い距離から来てくれているのが大部分なんです。こういう人達が愛してくれないと地域密着にはならないから、そこを変えていかなくちゃいけないと思っています。」


 ― 昨年1年間 F-PROJECT が活動されて、今年2年目ということなんですが、昨年の成果は?

 「去年の僕たちの目標は "収益" と "集客改善" でした。ヤクルトの場合では200 1年の優勝以降、集客が急激に落ちていたのですが、去年は球団内部の努力によって、下げ止まりに成功しました。これは大変価値のある事だと思っています。今年の目標としては、なんとか集客を上向き改善にしたいと思っています。」

 ― 集客の伸びはチームの成績が左右されます。そういった面で、チームに勝ってほしいとは思わないんですか?

 「基本的にはチームには勝ってほしいし、勝てば動員に繋がるのは事実なんですが、勝たない中でどうするかがこちらの腕であり、プロフェッショナリズムだと思うんで、勝ち負けは関係なくなんとかするぜという意気込みでやっています。」

 ― ではチームの運営に参加している立場から見て、野球界の良い点と悪い点を聞かせてください。

 「まず良い点としては、メジャーな事とそれにおける商圏規模の大きさですね。金額面で見てもとても魅力的だし、文化の面で見ても、老若男女問わず誰でも一塁へ走るというルールは知っているという点で、日本において非常に愛されているスポーツなんだという実感はありますね。逆に一番故の悪さもあると思います。具体的には言えないかなあ(笑)。」


 ― 文化として根付いているが故に、赤字も垂れ流ししているところがあったりと、そういう面で悪循環になっていると感じるのですが。

 「それは全部のスポーツに言える事ですね。企業スポーツなんで、一つの企業が赤字を補填してでもその球団を欲しい価値があるから潰さないんですよ。その理由としては、広告宣伝価値として球団を見ているからで、文化とは違います。ただ文化として見るとなると、サッカーの J リーグはお金がなくても経営をやり続けています。それこそ文化だから、地域密着や金銭の有無を考えなくなって始めてスポーツ文化が根付いていくと思いますね。僕の生きている間に到達してほしい所ではあります。

 アメリカでも野球では、オーナーが球団を売ってくれるのを何十人も待っているという場合があります。要は選手としてやりたかったんだけど、だめだったから今度は球団を買いたいと。それも一種の文化だと思います。だって絶対儲かるわけじゃないでしょ。失敗してもいいから買うというのはお金じゃなくやっているんで、そういう気持ちを持つのはアイデンティティだと思いますね。

 セリエAのバレーボールやハンドボールの選手なんかは年収が 300 万円位でもプロとしてやっています。たとえ生活が赤字でも、十円でも貰えばプロなんだから、そこには選手としての誇りとプロフェッショナリズムがあるんです。さらに、その地域の人は自分たちのチームが世界一だと思って応援をしています。そういう文化の下では弱いから応援しないというような事もなく、真の文化としてのスポーツが存在しています。」


 ― 最後の質問ですが、スポーツが社会の中にある意味は何だと思いますか?

 「世の中に娯楽って必要ですよね。僕の中で娯楽の無い社会は考えられなくって、その中でスポーツは身体技術を通してお客さんに娯楽を提供するものです。さらに、スポーツは選びぬかれて鍛え抜かれた人にしか表現できない美だから、そう言う意味でアートよりも素晴らしい美だと思っています。そういう美は21世紀の世の中において必要不可欠なものだと確信しています。試合の後には相手と握手するとか、そういうことを自然にできる社会は絶対平和で戦争なんかないと思うんです。いくらそいつが憎くても、フェアプレーの精神があれば相手をリスペクトできるわけだから、そういう精神を持つ事が大事だと思いますね。それができる社会になれば一層スポーツの意味が大きくなると思います。」

 今回はお客さんを如何に球場に呼び込むかというお話を聞きに行ったのだが、思いがけず『スポーツ文化』に話が及んだ。マーケティングやマネジメントといったビジネススキルも大事であるが、実はそれと同じくらいスポーツに対する“理想”を持っていることも重要なのではないか。ビジネスの“実力”とそれによって目指す“理想”の両方を持っていることがスポーツ業界が求める資質なのであろう。


 【参考リンク】
  F-Project 東京ヤクルトスワローズ

 椎名 浩之

 + マイレポート +  鎌スタ祭'07
  初めまして!!今回初めてメルマガを担当させていただきます、 SOJ1 年の田中亮多です。最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 7 月 16 日、イースタンリーグ(プロ野球の二軍リーグ)の日本ハム対ロッテ 3 回戦の試合を鎌ヶ谷に見に行きました。なぜ二軍の試合を SOJ で見に行ったのかというと、実はこの日鎌ヶ谷ファイターズスタジアムでは、前々号の Seeds-net でお伝えした通り、「鎌スタ祭 '07 」というファン感謝イベントが開催されていて、直にこの目で見てこようということになったわけです。


  前日まで猛威を振るった台風 4 号も無事に通過し、晴れ空の下試合会場へ。到着してまず驚いたのが、人の多さ。二軍の試合にもかかわらず、そこら中に人、人、人!!二軍のイベントということで、正直どれだけ盛り上がるか少し心配でしたが、鎌ヶ谷のファンが見事にそれを打ち消してくれました。スタジアム内も、バックスタンドはすでにファンでいっぱい。世間にとっては日本ハムの二軍でも、地元にとってはまさに「鎌ヶ谷ファイターズ」なんだなぁと実感しました。地元バンドによる生演奏などもあり、試合以外の演出にもしっかりと気を配っているのが感じられました。


  試合は、 4 投手による完封リレーを決めた日本ハムが 6 -0 で勝利。安打数でも日本ハムが 10 本の差をつける大差の試合ではありましたが、プロならではと言える好プレーが目白押し。ともに一軍の主力であるロッテ・今江敏晃選手( #8 )と日本ハム二番手・八木智哉選手 ( # 29 ) の対決もあり、なかなか盛り上がりました。特に 8 回にダメ押し 3 ランを放った日本ハムの糸井嘉男選手( #26 )は、「笑顔でこっち向いて〜 !! 」という少年ファンのリクエストにも応じるなど、終始目立っていました。

  今回のイベントで目玉の一つになったのは、通常版では使われていない緑色を大胆に使い、さらに胸に「 KAMAGAYA 」の文字を施した限定ユニフォーム。試合では着用されませんでしたが、ユニフォームの売店はあっという間に完売する盛況ぶり。球場周辺にもユニフォームを着たファンを大勢見かけました。


  華やかさという点では一軍に劣るかもしれない二軍のゲームですが、地域住民と球団が一体になって試合を盛り上げていく点は、素晴らしい部分だと思います。プロ野球選手のプレーが安く間近で見られる二軍戦。皆さんも是非、足を運んでみてはいかがでしょうか?


 【参考リンク】
  ファーム情報 北海道日本ハムファイターズ

 田中 亮多

 + マイレポート +  慶應義塾大学SMRG
  7月26日、私たち SOJ はとある団体との合同ミーティングを開催しました。その団体は慶應大学の研究団体、 SMRG [Sports Management Research Group] 。団体名を見て分かるように SMRG は、 SOJ と似た理念を持つ団体です。今回の企画はせっかく早稲田と慶應に似た性質を持つ団体があるのだから、横のつながりを作り、これからの互いの活動をより有意義なものにしようじゃないかということで行われました。

  当日は、まず互いの団体活動報告をした後に「質問力」というゲームをしました。代表的な問題に「海がめのスープ」というのがありますが、聞いたことありますか?簡単に説明すると、ある事実に基づいた問題が出され、答えを導くためにどんどん質問していき、解答するというゲームです。ですが、これがかなり難しい。頭の中で色々な仮説を立てそれに向かって質問すればいいだけなのに、どうして自分の頭はこんなに固いのだと、もどかしい気持ちになります。頭使います、ほんと。今回の本題は「小さな出版社でも『株』『占い』『ダイエット』というテーマを扱った本であれば内容は大して変えなくても、カバーを新しくすれば安定した収益が得られると言われていますが、それはなぜでしょう」という問題でした。答えは次号のメルマガに載せるので、読者の皆さんも、ちょっと考えてみて下さい。

 みんなの緊張がほぐれたところで、 SOJ と SMRG のメンバーを混ぜて3班に分け「スポーツのビジスネスとしての価値とは何か」というテーマでディスカッション。議論する時間が短かったということもあり、結論は3班とも同じような内容になりました。このテーマで思ったことは SMRG とのスポーツと関わる際の視点の違い。研究団体である SMRG は各自が目的を持って行動しているように思います。また、今回一緒にこの企画を立ち上げた人は、スポーツとビジネスの関係について勉強しており、自分たちよりさらに突っ込んだところで勉強しているように思えました。

 ミーティングが終わった後は招待券をいただいて国立まで移動し、サッカーを見に行きました。前座は早稲田大学対高麗大学、メインは FC 東京対 FC ソウルの試合。久しぶりに生でプロのスポーツを見て、やはりスポーツは生で見るのが一番だと実感。韓国サポーターの盛り上がり方が印象的でした。
 
 サークルと研究団体の違い、それぞれに長所と短所があるなかで、互いが協力していけたらさらにおもしろいことができるのではないかと期待できる一日でした。


 【参考リンク】
  慶応大学SMRG [Sports Management Research Group]

 田中 悠貴

 + スポーツスタジアムの可能性 +  私を競技場に連れてって♪ 〜両国国技館編〜
 日本の国技と言えば、相撲を思い浮かべる人が多いだろう。大相撲は、幕内の取組が全試合NHKで放送される。プロ野球でさえ全試合は放送されることはない。テレビ放送もさることながら場内での観戦も多くの観客を集めている。そんな相撲場には何か魅力があるはず。今回は大相撲が行われている両国国技館の魅力について言及したい。


  大相撲の観客の応援を聞いたことはあるだろうか。野球やサッカーのように鳴り物は使わないし、決まった手拍子をして応援をすることもない。観客は思い思いの言葉で、思い思いのタイミングで力士に声援を送る。なぜ大相撲はこのような応援になるのか。ここで注目して欲しいのは、相撲の1階の観客席、マス席である。マス席といえば、演劇などでもよく見られる。マス席の中では仲間同士、飲み食いをしながら応援をすることができる。

 他のスポーツの競技場ではどうだろうか。ほとんどの競技場の観客席は横に並んでいる。ここで思い出してもらいたいのは、波である。波は横一線になってひとつの波長を持って押し寄せてくる。そう、横一線の観客席の構造は、波のような性質を持っているのだ。それが野球やサッカーのような一律の応援、打ち寄せる波のように絶え間ない応援を生み出すのである。このような応援は、すでに応援団によって一試合分の応援が決められ、半ば強制的な応援での観戦となる。その応援のために、スポーツのそのものの音が聞こえなくなり ( 野球の打球音など ) 、スポーツそのものを楽しみたい人の阻害となる可能性もある。

 相撲はマス席という、四角い 4 人掛けの観客席となっている。周りの観客席とパイプによって仕切られることで野球やサッカーなどの波のような構造にはならず、波のような応援も生まれない。この観客席の構造が、思い思いの応援を生み出したのである。そして取組が始まると場内は静かになり、力士の迫力ある張り手の生の音を楽しむことができ、相撲の醍醐味を存分に味わうことができるのだ。


 もうひとつ両国国技館の特徴は、土俵のある場内に広告がないことである。今、スポーツは経済と切り離せない関係にあり、その関係のひとつが企業の広報手段にスポーツを用いることである。プロ野球はこの関係が最も強いスポーツのひとつである。プロ野球はチーム名に企業名がはいり、球場はところ狭しと広告が並び、この広告収入がスポーツを運営するための大事な収入源となっている。

 しかし、両国国技館の土俵のある場内には広告看板がない。大相撲の広告といえば、取組の前にスタッフが広告を持って土俵の周りを回るだけである。場内に広告がないから、観客の目線は土俵に一気に向けられる。言い換えれば、場内に関心の集まるものは土俵しかないから、土俵にしか目がいかない。土俵に自然と惹きこまれてしまうのだ。

 
両国国技館に秘められた魅力は、相撲の競技そのものだけではない。他のスポーツの競技場にはない、両国国技館独特の構造が相撲の魅力を一層惹き立てているのである。


 寺田 慎平

 + 真夏の饗宴 +  第3回
 前回はいきなり冒頭から
 訳の分からない民謡を載せてしまい、
 読者の方々を困惑させてしまったようだ。
 
 (ちなみに友人からは‘もはや日本語と言っていいのか分からない'と突っ込まれた。)
 
 今回から、『よさこい祭り』の心髄に近づけるよう
 語っていくよう努力したいと思う。
 
 読者のみなさんも、どうぞ
 ごゆるりとお付き合い下さい。


 一つ本編に入る前に、最近筆者を
 びっくりさせたことがあったので報告させて頂きたい。
 
 筆者の祖母は外見は若々しいものの
 今年で御歳77歳、喜寿である。
 
 そんな彼女、どうやら数十年のブランクを経て
 今年の‘よさこい祭り'本祭に出場することを決めたようだ。
 
 筆者の‘よさこい祭り'踊り子デビューが、
 前回もお伝えしたように3歳。
 
 よさこいの受容範囲の広さ、
 読者のみなさんに少しは伝わっただろうか?
 
 では、第三回スタート―
 
 自由は土佐の山間より
 
 「‘よさこい'って何?」と聞かれると困ってしまう。
 「観てもらわんといかんちや(観てもらわないと分からない)」、
 となってしまうからだ。
 
 「‘よさこい'のルールは?」と聞かれれば、それは簡単である。
 
 基本ルールは、
 1チームの人数は 150 人まで
 鳴子を持ち、前進する踊りであること
 曲のアレンジは自由、だが必ず‘よさこい節'を入れること
 各チーム、必ず地方車(じかたしゃ)を一台用意すること。
 
 この位だろうか、細かい規定はあるにしろ
 大方上記に従えば文句は言われまい。
 
 とにかく自由で、わが道をいく高知県人は
 縛られることを嫌うため、この位がよいのだろう。


 数年前、自転車にラジカセを乗せ
 女三人で出場し観客の度肝を抜いたチームがあった。
 
 その翌年より、人数制限が厳しくなったため
 その勇姿をもう目にすることは出来ないが、
 ‘よさこい祭り'の自由さがよく分かる出来事だった。
 
 さらに言えば、‘よさこい祭り'踊り子参加の最高齢記録は 96 歳である。
 きっと今年も記録は更新されるであろう。
 
 ちなみに‘よさこい祭り'の踊り子に年齢制限はない。
 赤ちゃんだって、お母さんが抱っこして隊列に加われば
 立派な踊り子の一人である。
 
 そんな下は赤ちゃん、上は じんば ばんば も負けていない
 ‘よさこい祭り'なのだが、決して落ち着いたお祭りではないことを
 次回語っていきたいと思う。
 
 きっと、想像を超える激しさと熱さに
 読者のみなさんも驚かれるであろうことを宣言して、
 今回はお開きということで―
 
 
次回へ続く


 杉野 綾美

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