SEEDS-net vol.98
2008年3月11日発行
 
  ニュースで桜前線の予報が流れるなど、だんだんと春の訪れを感じる季節になってきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。 3 月は別れの季節。桜が咲いたら、花吹雪の中でしばし友人達とともに感慨にふけるのもいいものですね。
  さて、 3 月といえば J リーグ開幕の月ですが、今年は欧州デビューする選手も増え、 J と海外サッカーもより身近になりましたね。そこで、今号ではサッカーを大特集。メンバーによるセリエ A ・ B の観戦記をはじめ、「もっとも国際的なスポーツ」に迫ります !!(R)

<もくじ>


++ お知らせ ++  SEEDS-net第98号発行遅延のお詫び
   SEEDs-net 第 98 号の発行遅滞のお知らせとお詫び
 
  いつも SEEDs-net をご購読いただきまして誠にありがとうございます。
  さて、 11 日にお届けする予定でした SEEDs-net 第 98 号についてですが、このたび当方の不手際にて発行が遅れてしまいましたことをお詫び申し上げます。以後、このようなことがないよう厳重に注意していく所存です。
  今後とも、 SEEDs-net の変わらぬご購読を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 
 早稲田大学公認サークル「 Sports Of Japan 」 SEEDs-net 編集部
 田中亮多


++ マイレポート ++  埼玉西武ライオンズインターンレポート
    今年から、株式会社「アンビションアクト」が行っているスポーツチーム・団体へのインターンプロジェクトに参加することになりました。お世話になるのは、埼玉県所沢市を本拠地とするプロ野球・埼玉西武ライオンズです。アンビションアクトは他にも、東京ヤクルトスワローズや、北海道日本ハムファイターズ二軍 ( 鎌ヶ谷 ) へのインターンも手がけているのですが、日頃から通学に西武新宿線を使っていて、球団の広告等も目にしており親近感があることや、キャンパスからフランチャイズが近いことが選択の決め手になりました。
 
  任される予定の主な仕事は、ファンクラブ用ブースの運営。今年からライオンズでは、ファンクラブメンバーに対するポイント制を導入することにしており、その配布やファンクラブ自体の案内がメインの内容になります。

 その打ち合わせのため、 3 月 10 ・ 11 日両日に早速、西武ドーム内の球団事務所に行ってきました。集まったのは自分を含め、インターン生・バイトを合わせて総勢 10 名ほど。これからオープン戦や公式戦が始まると、さらにもう少し人数は増えるようです。年代は自分に近い人が多いですが、中には 50 代くらいの方もいて、失礼ながら少々驚くと同時に、「年代の違う人ともコミュニケーションをとれるように頑張らなきゃいけないな」という思いを強くさせられました。やはり地元出身の人が多いようですが、野球にそれほど詳しくない人が多いのも意外でした。経験者でそれなりに知識もある自分が、これからどんどん自分の持っているものを提供していけたらいいなと思います。
 
 打ち合わせでは、会議室での会合だけではなく、ファンクラブブース内でのポスター張りなどの作業も行いました。一番印象に残ったのは、やはりスタジアムツアー。グランドやダグアウトに足を踏み入れることこそ出来なかったものの、普段はめったに入れない場所に入ったり、試合に勝った時だけ使われる、バックネットからロッカーへと延びる通路「ビクトリーロード」を歩いたりすることが出来、本当に感激しました。実は、一昨年のオープン戦の時に一度訪れていたのですが、オーロラビジョンや人工芝が去年までのものから変更されていて、なんだか初めて足を踏み入れたような、不思議な感じがしました。これからは、ここが自分の職場。愛着を持てるようになりたいですね。
 
 これから、このインターンを通じて感じたこと・自分の目で見て印象に残ったことなどを、不定期連載という形で記事にしていきたいと思っています。華やかな舞台裏で何が起こっているのか、自分の出来る範囲でお伝えしていきますので、よろしくお願いします。半年間の間ですが、精一杯がんばります !!
 
 田中亮多


++ マイレポート ++  ニセコ合宿レポート
 3月7〜10日まで、私が所属するゼミの調査の関係で北海道のニセコへ行ってまいりました。

 
 蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山の西に位置する、ニセコグラン・ヒラフスキー場は今、オーストラリア人を中心に海外からの観光客で賑わっていることで有名です。
 その人気ぶりは耳にしていましたが、実際に行ってみるとその外国人の数の多さに驚きました。すれ違う人の6〜7割が海外からの観光客といった具合でした。
 
 北海道倶知安町の資料によると、この町に宿泊したオーストラリア人の数の急激ぶりは明らかでした。2001年度に214人だったのが、2005年度には7696人という急増ぶりです。
 
 そして、今回ニセコグラン・ヒラフスキー場の周辺を歩いていて強く感じたのは、雰囲気がもう外国だということです。洋風のペンションやコンドミニアムが立ち並び、とても綺麗な町並みで感動を覚えました。近年の外国人観光客の急増を受けて、コンドミニアムの建設ラッシュが起こっているのです。しかし、こうしたコンドミニアムの管理をする不動産会社はオーストラリア人が経営しているケースが多いとのことです。つまり日本に観光に来たオーストラリア人をターゲットにオーストラリア人がビジネスを展開し、オーストラリア人がおいしい思いをするという流れができているのです。これはスポーツツーリズムという概念がいかに日本で浸透していないかということの現われだと私は思いました。
 
 地元の人の話によると、このニセコブームが過ぎ去って大量のコンドミニアムが廃墟と化してしまうのではないかという一抹の不安も無きにしも非ずとのことでした。これからニセコの人気を継続させる努力がこの町には必要であると私は感じました。そしてこの人気から生まれる経済効果を直接この町に還元されるような観光のしくみを構築することが、大切だと私は考えました。
 
 
 角田誠弥

                               

++ マイレポート ++  ワシの魂
    スタジアムに向かうバスの中、僕は前日に手に入れたチケットを握りしめていた。今回観に行ったのはイタリアのプロサッカーリーグ・セリエA、フィオレンティーナがリヴォルノをホームに迎えての一戦。いつもブラウン管越しでしか見ることができなかった世界をこれから観ることができるのかと思うと、気持ちが高ぶってしまっていたのだろう。バスを降りてから指定のゲートへ向かう僕の足取りは速かった。席はアウェイ側のゴール裏。ここには年間シートを持っていないティフォージ(熱狂的なファン)が集まる場所だ。そう、何を隠そう僕もヴィオラ(フィオレンティーナの愛称)のティフォージの一人である。
 
 選手入場前に応援歌が流れ始める。僕は周りのティフォージと共に熱唱し、スタジアム全体のボルテージが上がっていく。入場が始まるとさらに大きな歓声が沸き起こり、自分のカラダがアツくなっていくのがわかった。

 そんな中、試合開始のホイッスルが鳴る。両方のゴール裏に陣取っているヴィオラのティフォージからコールがスタジアム中に一気に響き渡った。ちなみに、リヴォルノのティフォージはアウェイ側のゴール裏の隅に、鉄柵と空席によって隔離されている。日本ではあまりみかけない光景なので、見た瞬間はやりすぎではないかと感じたが、あとで冷静になって考えてみれば、過去に何度もティフォージ同士の衝突によって死傷者を出しているのだから、このような対策は当然なのかもしれない。
 
 試合全体の流れとしては、ヴィオラはサイドアタックを仕掛るのに対し、リヴォルノは引いて守ってカウンターを狙う構図であり、終始ヴィオラがリヴォルノを圧倒し続けたものの、前半は0−0。前半に負傷退場したセミオリと交代したパパ=ワイゴが後半に点を取って1−0でヴィオラが勝った。素人目から見てもテクニックという面ではJリーグとたいして変わらない。でも、球際の激しさ、ボールに対する執着心がすごかった。選手たちは怪我やファウルを恐れずボールを得ようと体を張る。その激しさから選手の必死さがひしひしと伝わってくる。その必死さの裏には、チームの勝利のため、応援するティフォージの期待に応えるため、自身のステップアップのため、あるいはスタメン落ちや解雇への恐怖など様々な感情があるのかもしれない。もっとも、そんな必死な姿を見ると、観客はさらに興奮せざるをえない。いや、ティフォージ同士もまた戦っているのだ。劣勢のチームを応援すべく隅でリヴォルノのティフォージがコールを始めると、ヴィオラのティフォージは、止めろと言わんばかりに大ブーイングを浴びせてそれをかき消し、ヴィオラを応援する声を張り上げた。ヴィオラのパパ=ワイゴが決勝点を取った時に、僕を含め周りのティフォージは狂喜乱舞して、もう何がなんだかわからなかったくらいに。
 
  どうしてこんなにも熱狂できるのだろうか。僕はとなりの席に座っているおじいさんに聞いてみた。「あなたにとってヴィオラとは何だ?」。するとおじいさんは「 il mio spirito. (ワシの魂だ。)」と言った。魂?おおげさなと思うかもしれない。でも、いいと思ったプレーには「 bravissimo! (素晴らしい)」と褒めちぎり、味方のミス、審判の不可解な判定、相手のファウルに対しては立ち上がって、血圧が上がりすぎるんじゃないかと思うくらい声を張り上げてる。そんな風に、喜怒哀楽を全身で表わしていた姿を目の当たりにした僕にはその言葉は何の違和感もなく伝わってきた。いや、むしろしびれたと言った方が正確かもしれない。

  サッカーというスポーツがこんなにも世界に広まった理由を、確かに、肌で感じた瞬間であったと、僕は思う。

小林遼平

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